
びわ湖ホールでオペラが上演されると、その前に「プレトーク」と称して演出家・指揮者がみどころ・ねらいを話し、出演者が「さわり」を歌ってくれるイベントがある。今回は3月7・8と上演されるプロデュース・オペラ「トゥーランドット」のプレトーク。開催日は2月23日(月・祝)三連休の最終日、場所はびわ湖ホールの中ホール。今回午前10時半開演だった。結構入りは良かった。中ホールの1階だけを使っていたけど、7割から8割程度の入りだっただろうか。
今回の出演者は指揮者でここびわ湖ホールの芸術監督阪哲朗と演出家の粟國淳。プロデュース・オペラとして「トゥーランドットが上演されるのは2回目。初回は沼尻竜典が芸術監督の時だった。前回の演出も粟國淳。
いろいろ話が出てけど、僕が面白いと感じた事を書いておこう。
これは良く知られている事だけど、「トゥーランドット」は未完に終わっている。でも、プッチーニが急病で完成できなかったとか、完成させるつもりはあったけど寿命が足りなかった、のではなくで行き詰ったのだとか。プッチーニが完成させたのはリューの死まで。誰が補筆完成させるかで、プッチーニの遺族と初演を指揮したトスカニーニとの間にいざこざがあった。それで、初演の時、トスカニーニは、わが師プッチーニが作ったのはここまでです、と一旦音楽を止めたのだそうだ。原因の一つが補筆完成させたアルファーノがトスカニーニには気に入らなかった事だそうだ。この補筆完成版は無理やり終わらせた感がある。プッチーニはこの作品を最初から書いて行ってそれが行き詰まりの原因かもしれない、との事。そういえば、以前三島由紀夫は小説は最初の一行が決まったら書き始める、戯曲は最後の台詞が決まってから書き始める、と言っていたことを思い出した。
またこの物語は「寓話」「おとぎ話」である。トゥーランドットもリューも象徴にすぎない。リューが人間の暖かさの象徴である。また、リューは女奴隷であり、最下層の人間である。また、トゥーランドットもただ単に怖い・冷たいお姫様ではない。
プッチーニはレハールと交流があったようだ。また、プッチーニの時代には自動車ができ、映画が出てきた。そのせいか、プッチーニのオペラはテンポが早い。「トスカ」なんかオペラの時間と実際の時間がシンクロしている。また、プッチーニはダレるからと言って Vissi d'arte までカットしようとした。
このオペラのテーマは、愛、報われない愛、無償の愛、ともとれる。それで思い出したのが、以前職場であった話。
以前勤めていた職場には名物男がいた。仕事はできなかったが、いい奴で皆に可愛がられていた。彼があるとき、愛は金で買えるのか、と聞いた。そこで皆が考えた答えはこう。本物の愛は金では買えない、それは、愛と言うものは金で売り買いするものではないから。でも、愛「のようなもの」は金で買える。例えて言うなら、本物の蟹は金では買えないが、カニカマは買える。おまえのような奴は、これホンモノですよ、と言われて偽物をつかまされるから気をつけろ。
一旦休憩があってその後、質疑応答となった。今回、歌手が出ることもなく、質疑応答も全部の質問に答えたわけでもなかったのか不満だった。
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