この間京都南座に行ってきたらおもしろい情報が手に入った。
まずは6月、新作歌舞伎「NARUTO」が上演される。6月2日初日26日千秋楽。原作は漫画で、結構当たったそうだ。「そうだ」と言うのは僕は読んだことがない。それで職場で聞いてみた。うずまきナルトに巳之助、うちはサスケに隼人、うちはマダラに梅玉。他に笑也、笑三郎、猿弥、と三代目猿之助の弟子が出る。
この顔ぶれを見て自分がいかに長く芝居を見ているか痛感した。なんせ、巳之助の父の十代目三津五郎が八十助、隼人の父二代目錦之助が信二郎の時から見ているのだ。
8月は南座超歌舞伎、獅童と初音ミクが共演する。「初音」ミクだからだろうか。獅童が「千本桜」の忠信の格好でチラシにのっている。
僕が一番注目しているのが「九月花形歌舞伎」、「四谷怪談」を上演するのだ。主演は愛之助・七之助・中車。僕はもう20年くらい前になるだろうか、南座で「四谷怪談」を見ている。その時は三代目鴈治郎(当時・現坂田藤十郎)と十二代目團十郎の初顔合わせと言う事で四谷怪談が出た。この時は上方演出で、イヤホンガイドで「三代目鴈治郎が南座のお客様の為に上方のやりかたでおおくりします四谷怪談、最後までごゆっくりとお楽しみください。」と言っていたのを覚えている。外題も「東海道四谷怪談」ではなく「いろは仮名四谷怪談」だった。
もしかして、南座で四谷怪談が出るのはこの時以来ではないだろうか。ただ、お岩さんをできる人がいるだろうか。この役はお岩・佐藤与茂七・小仏小平と三役替わる。これ三代目鴈治郎だからできたのであって、この顔ぶれでは三役替わるのはちょっと無理かもしれない。それでも僕は見てみたい。
大阪松竹座の五月公演は「笑う門に福来る~女興行師 吉本せい~」、主演は藤山直美。大阪松竹座で直美が主演で公演が行われるのは当然のことだが、なにも「松竹」座で「吉本」をやることはないのではないか。
それより、九月の新派がおもしろそう。二本立てで、「家族はつらいよ」「黒蜥蜴」。「家族はつらいよ」は映画の舞台化。映画と同じく山田洋次が演出に当たる。「黒蜥蜴」は三島由紀夫のとはまた別となる。東京ではすでに上演されている。脚色演出は斎藤雅文。黒蜥蜴は女形の河合雪之丞、と言うより春猿が演じる。新派も今や「旧派」になっているところがあるが、新しい事に挑戦し、真の意味で「新派」になろうとしているように思える。
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