やっとレビューが完成しました(^0^;)
観劇日5月13日(日・母の日)15:00開演 B席
作演出谷正純の"ANOTHER WORD"、横文字の題名だが、和物。原作は落語の「地獄八景亡者戯」が元になっていて、それに、「崇徳院」( 「瀬を早(はや)み 岩にせかるる 滝川(たきがは)の われても末(すゑ)に 逢はむとぞ思ふ」と言う和歌を思い出して下さい。) 、だけでなく江戸落語の「朝友」も入れてるとか。
僕が見た日は「母の日スペシャル」でキューピーマヨネーズがスポンサーになっていた。開幕前に司会者が出てきてちょっと話をしたが、客席の反応は・・・・結構冷たい。幕間に抽選があると言う事だが、幕間になるとさっさと席を立つ人が目立つ。
今回は最初に初舞台生の口上があった。そのせいだろうか、このような公演の最初にある組長の挨拶がなかった。指揮は全部上垣聡。
幕開き、勢揃いのチョンパ、まるで和物のショーのようだ。その幕開きで驚いた。その扇子遣いの見事な事。きちんとした日舞になっている。
「地獄八景」に出てくる船場の若旦那を江戸に移し、演じる礼真琴が東京の人だから、「崇徳院」に出てくるカップルを主役にした。トップ紅ゆずる演じる若旦はんはいわゆる「つっころばし」。歌舞伎では「つっころばし」は難役だが、紅にはぴったり。上方の言葉でしゃべりまくるのだが、軽妙洒脱な事きわまりない。まさに「水を得た魚」の如く見事であった。
三途の川のほとりにある茶店が「冥土(メイド)カフェ」だとか、六道の辻にある「冥土歌劇団」だとか、これも「地獄八景」通りの趣向であるが、客席は笑いが絶えない。特に傑作なのが「冥土歌劇団」で「ベルサイユの蓮」を上演、「作・演出 植田紳爾、近日来演」には大笑い。これ原作にもある。谷正純はよほど、植田紳爾が好きで尊敬しているのだろう。植田センセは粋なお方。初日の客席におられたとか。きっと笑い転げておられた事だろう。
冥土の「美人座」で上演中の「崇徳院心中」が良かった。これ「人形振り」なのだ。この時、紅ゆずる・綺咲愛里が見事だった。よくここまでやった、と思う。表情を変えない、まばたきでさえしていないように見えた。紅ゆずる・綺咲愛里ともに大阪の人だが、何故か変な関東訛りが入る。それが惜しい。
閻魔大王役の汝鳥怜が傑作、また、貧乏神の華形ひかるも面白い。それに、「虞美人」へのオマージュがあり、久しぶりに大劇場で「赤いけしの花」を聞けたのが嬉しかった。
さてここまで「風呂敷を広げて」どう結末をつけるのか、と思ったら、ものの見事に「たたんで」くれた。和と洋が見事に混じりあっている、これも宝塚らしい。
タカラヅカ・ワンダーステージと称した「Killer Rouge」、作演出は斎藤吉正、意欲的なショーではある。少なくとも、前回の退屈なロマンチックレビューよりは、はるかにましなのだが、あの斬新でメッセージ性の強い「BADDY」の後では、生ぬるく思える。客席降りもあった。観客参加のところもあったが、あっさりしていて、それはそれでよかった。暗いとき、舞台中央と両端にある赤い星が手前にきているように見えるのが不思議。
終演後、トップの挨拶があった。その後、司会者の挨拶があったのだが、席を立つ人が多い。出口でキューピーの新製品サラダ・ソルトを二種類を出口で全員に配布した。今回、こんな事をまったく意識せずチケットを取ったのだが、得した気分だった。
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