3月24日(土)14:000開演 びわ湖ホール小ホール
今回は、地味ーな曲。しかし、ほぼ満席、よく入っている。僕のような「固定客」がいるせいかも。今度の演奏会は2本立てで、前半はアドリアーノ・パンキエーリ作:マドリガル・コメディー「謝肉祭の最後の木曜日、楽しい夕べの宴」
これはいわゆる古楽と言うジャンルに入る。オペラと言うものが成立するより前に出来た作品、マドリガル・コメディ、と言うジャンルに入る。これは、世俗声楽曲を何曲か緩ーい物語でつないだもの。この曲は全20曲。最初、リュートや打楽器奏者が入ってきて、それから声楽アンサンブルのメンバーが登場して始まるのだが、女声の衣装は、高島ちぢみ(たぶん)のドレス、男声はまちまち、普通に背広ネクタイ、だけでなく、サングラスを頭にのっけたり、ぶかぶかのズボンをズボン吊りで吊ったり。
指揮はこの声楽アンサンブル常任指揮者の本山秀毅。この人だけが、「まとも」な燕尾服。イタリア語(たぶん)で歌われるので、字幕が出る。この字幕の訳が結構くだけたもの。ふざけた曲も多々あって面白かった。聞いていると、この曲はこのようにコンサートホールでかしこまって聞くものではなく、酒場とかライブハウスとかいう所で、聞くほうも演奏する方も一杯気分でやるようなものではないだろうか。実際、滑稽な歌・シーンもあるが、笑っていいのか、手を叩いていいのか、観客が迷っているようなところがあった。聞いていて、ホント、面白かった。
上演時間は45分ほど。一旦全員引っ込むが、本山氏が出てきて、今年度声楽アンサンブルに入った三人のメンバー紹介があった。彼らは入団してもう一年になるが今まで紹介の機会がなかったとか。アルトの益田早織・溝越美詩、バスの宮城島康、彼らのびわ湖ホールでの初舞台は去年の「ラ・フォルジュルネ」で4月の終わりだった。続いて、今月で卒業するメンバーの紹介があった。テノールの島影聖人と増田貴寛の二人。島影氏の話によると、入った時ダイエットしようと思ったとか、でも、隣に巨漢の増田氏がいるようになったら、ま、いいか、(←いいこと無い!)と思うようになったとか。三人が引っ込むと、入れ違いに館長の山仲氏が出てきて、本山氏が大阪音大の学長に就任される事になり、ここの常任指揮者を続けるのが難しくなったので、退任となったと挨拶があり、花束贈呈となった。本山氏曰く、コンサートの途中で花束を貰ったのは初めてです、とか。ま、ここしか時間を取れなかったのだろう。
幕間の後は、オーケストラが入ってきてヘンリー・パーセル作曲の「ディドとエネアス」。これも古風な曲である。オーケストラにリュートが入るのだもの。作曲されたのは1689年、これパーセルの唯一のオペラだそうだ。こういう古風なオペラなんで、男性の役もソプラノとかアルトかと思ったが、
バスが歌っていた。それに英語で歌われるオペラというもの珍しい。雅びな感じ、オペラと言ってもヴェルディなんかと全然違うが、これはこれで面白かった。
二曲とも珍しい曲だが、単なる珍品に終わらず、面白く、充実した演奏だった。びわ湖ホールはこのように民間ではやらないような曲を面白くやってくれるのが良いところだ。
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