2017年もいろいろ見ていた。最初の観劇は、1月3日に見た宝塚歌劇。「グランド・ホテル」「カルーセル」の二本立て。これを始め大劇場での本公演は全て見た。一番良かったのは「スカーレット・ピンパーネル」。ただこの公演で良かったのは塩田明弘指揮の宝塚オーケストラだが。
梅田芸術劇場での公演も、「オーム・シャンティ・オーム」「琥珀色の雨に濡れて」「鳳凰伝」の三本を見ている。なかでも、「琥珀色の雨に濡れて」が一番良かった。柴田作品は何本か見ているが、この作品は「仮面のロマネスク」に並ぶ傑作だ。2018年には、柴田作品が大劇場で再演される。楽しみだ。
ただ、チケット販売のシステムが変わる。だから、現在でもちょっとチケットが手に入りにくい状態だが、それに輪をかけて取りにくくなるのではないか。それが心配だ。
歌舞伎では、橋之助の芝翫襲名が印象に残る。大阪松竹座では「勧進帳」「石切梶原」の二本。新芝翫で勧進帳の弁慶を見るのは何十年ぶりか。その時とは打って変わって上出来。それよりも感心したのは、びわ湖ホールで見た芝翫型の「熊谷陣屋」。これを見ると、團十郎型がいかに近代的・心理的かよくわかる。
ただ、残念なのは京都南座が閉まったままだと言う事。「京の年中行事」と言いながら結局南座では出来ず、岡崎のロームシアターで行い、花街の踊りの会を大学の中の劇場で、しかも街中からバスで1時間ほどかかるところでする始末。なんとかならないか。
あと歌舞伎で良かったのは松竹座の五月花形歌舞伎「金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)」と「怪談乳房の榎木」、それに七月の「盟三五大切」だ。
劇場で一番よく行ったのはびわ湖ホールではないだろうか。ここの声楽アンサンブルは僕にとって「会いに行けるアイドル」になってしまった。
声楽アンサンブルが中心となったオペラでは、なんと言っても「連隊の娘」が良かった。あまり上演されない演目だ。それは、テノールに超難関なアリアがあるから。なんせ高いCが何度も出てくるのだから。このアリアを得意にしている歌手が卒業生の中にいたから、この企画が実現したのだそうだ。実際舞台で見てみると素晴らしい出来だった。特にその問題のアリア「今日はなんてすばらしい日」を歌い終わると拍手とブラボーが鳴り止まず舞台が停止した。また、定期演奏会の一環として上演された「不思議の国のアリス」も良かった。また、「ラ・フォルジュルネ」で上演した「こうもり」は短縮版だったのだがなかなか面白かった。是非、全曲を上演して欲しい。
敬遠していた合唱曲のコンサートにも行ってきた。それでわかったのは、このアンサンブルの日本語の発声発音がとても明晰だと言う事。卒業生の「4大テノール」が日本語の発声発音が上手いのは、現役時代に鍛えられているからだとわかった。
それから、大ホールでのオペラ「ノルマ」も素晴らしいものだった。なんせ主役を歌えるのが世界で10人ほどしかいないと言うようなオペラなのだ。
びわ湖ホール以外のオペラでは、京都のロームシアターで見た「皇帝ティートの慈悲」が良かった。ここびわ湖ホール声楽アンサンブルの卒業生が主役を始め3人ほど出ているので見に行ったが、なかなか良かった。ただ、劇場が良くない。ロームシアターよりびわ湖ホールのほうがずっと良い。
ストレートプレイでは、やはり加藤健一の「喝采」、それに幸四郎が圧倒的な実力をみせつけた「アマデウス」が印象に残る。
ミュージカルでは上演される度に見に行っている、「レ・ミゼラブル」が期待通りの出来。また、「スカーレット・ピンパーネル」が良かった。
2017年は、ひとつのものをべつの舞台で見て理解が深まった事が僕にとって一番大きな出来事だった。「スカーレット・ピンパーネル」は東宝と宝塚と両方で見る事が出来た。「熊谷陣屋」は、芝翫型を見る事が出来た。「トゥーランドット」は歌舞伎、これパロディな上にテレビだが、と宝塚歌劇で見た。2019年にはオペラの「トゥーランドット」がびわ湖ホールで上演予定である。
ただ、ちょっと反省が。それは、レビューをupする時期が観劇からだいぶたってからだと言う事。今年はなるべく早めに、一週間以内にupする事を目標にしていきたい。
今年最初の観劇は、3日の文楽。初日の昼の部を取る事が出来た。今年も一杯見ていきたいものだ。
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