月30日・10月1日両日共、イオンシネマは安かった。通常料金1800円のところ1100円だったのだ。毎月20日・30日はイオンカードを使うと1100円になる。毎月1日は1100円になる。それが土日に重なったのが幸運だった。僕は地元の近江八幡イオンに行った。さぞかし混んでいるだろうかと思ったが、実際はガラガラ。料金と混雑具合とはあまり関係ないみたいだ。
30日に見たのは「三度目の殺人」。一種の推理物・法廷ものだが、最後に以外な犯人がわかる、とか、悪が裁かれてすっきり、と言う期待で見ると肩すかしを食らう。犯人は最後までわからない。真相は「藪の中」。それに、真実とは何か、裁判で真実が明らかに出来るのか、と言うのも大きなテーマである。裁判になって、被告が今まで認めていた犯行を否認する。あらかじめ、罪状認否では争わないと検察官・弁護士・裁判官で約束が出来ているのに、被告が急にそういう事を言うので裁判が混乱する。そこで、別室で、裁判官・弁護士・検察官が集まって秘密会議が開かれる。そこで、繰り広げられるのは「あうんの呼吸」。裁判とは何か、そこでは真相を明らかにするよりもの、わかりやすい「物語」に沿って速やかに事を処理することが求められるのではないか。「三度目の殺人」と言う題名はどういいう意味か。一度目の殺人は三隅(役所広司)が30年前に犯した殺人、二度目の殺人は現在三隅が起こした殺人、それでは「三度目」は。
それと舞台と映画がいかに違うのか、と言う事を感じた。この映画は実にアップが多い。だから役者は微妙な表情の変化で芝居をする。自分の心情を表情で表現するのだ。しかし、舞台ではそれは出来ない。顔の表情だけで芝居をしようとすると、芝居が下品になる。舞台は身体全体を使って芝居をするのものだ。それに、声。舞台では最上階の最後列まで声が届かないとならないが、映画はそうではない。ささやくような声でもマイクが拾ってくれる。
10月1日に見たのは「ダンケルク」。これもガラガラ。それにしても、映画もネットの時代になった。このような田舎の映画館でも、窓口と言うのがほとんどない。自動券売機とネット予約用の発券機が数台あるだけ。以前は、ネット予約だと各種の割引きが受けられなかったが、今はそうではなくなった。
この「ダンケルク」と言うのは戦争映画、ではない。派手な戦闘シーンなんてほとんどないのだ。なにより、敵、つまりドイツ軍が出てこないのだ。ダンケルクの海岸から、いかにイギリス兵を本国に出来るだけ大勢救出するかと言う話。イギリス軍はイギリス兵だけを救出しようとする。タテマエは味方のフランス兵も救出しなければならないが、イギリスはイギリス人だけ。この映画、天変地異である所に大勢の人が取り残されたらどのようにして救出するか、と言う話とも取れる。
それにしても、この映画、金がかかっている。エキストラだけで何百人単位で使っているのではないだろうか。「三度目の殺人」とは金のかけ方がぜんぜん違う。日本では金のかかった大作を作るのは難しいのかな。
これが気に入ったら下記を「ぽちっとな」とクリックしてください
観劇 ブログランキングへ