5月27日に「オトナの土ドラ」「犯罪症候群」の第一シーズンが終わった。これはWOWOと東海テレビの共同制作である。
とても面白かった。主演は玉山鉄二、それから谷原章介、渡部篤郎。
テーマはとても重い。今回の第一シリーズはは三つのエピソードからなっていた。三つ目が一番重くやりきれない結末となっていた。
大企業の跡取り息子である高梨道典(高橋光臣)は、家を飛び出し絵本作家になり、妻を娶り、子もいる。ある日、その子が誘拐され、身代金一億円を要求される。道典はその金を父道治(竜雷太)に借りる。その金で身代金を払うが子供は殺される。誘拐犯は捕まるが、それで終わりではなかった。
道典は犯人を死刑にして欲しくないと言う。自分の手で殺したいから、と。
復讐はしても地獄、しなくても地獄。それなら、いったいどうしたらいいのだろうか。僕は答えが見つからなかった。
最後は、そんなのないよ、と言いたいようなあっと言う結末になる。もう、やりきれない。
これを見て歌舞伎の「研辰の討たれ」を思い出した。
普通敵討ちは討つ方が主役だが、この芝居は討たれる方が主役である。敵の研辰を求めて諸国を歩く兄弟の台詞が印象的だった。今となっては父を殺された事に対する恨みはない、恨みがあるとすれば、敵討ちの為何年も諸国を旅しなければならなくなった事であろう。
敵討ちなんて、美談で格好のいいもののように思われているけど、結局は人殺しなのだ、これがこの芝居のテーマ。このテレビドラマと一緒で、討っても地獄、討たなくても地獄、なのだろう。
どこかに良い解決策はないものか
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