観劇日2月4日(土)11時開演 B席 2階15列1番
久々に着物で行った。寒いからとヒートテックの肌襦袢、ヒートテックのパッチ、ヒートテックの靴下(勿論その上から足袋をはいている)、綿入れの着物で完全防備して行ったら熱かった(^0^;)
この所宝塚歌劇のチケットが取りにくい。希望の日がなかなか取れない。やっと取れたのがこの日。場所も下手で後ろの方、良い席じゃないな、と思っていたが開演してからそうでもない事がわかった。この席から、オーケストラボックスにあるモニタが丸見えなのだ。つまり指揮者が棒を振っている様子が正面から見える。もっとも遠目だが。指揮は芝居ショー共佐々田愛一郎。この人の棒で見るのは久しぶりである。
今回「王妃の館」の作演出は田淵大輔、彼の大劇場デビュー作である。原作は浅田次郎。僕はこの公演が決まってから読んだが、確かに面白い作品である。大笑いしながら、いつのまにか泣かされ、感動させられる。ただ、これを舞台に、しかも宝塚歌劇にするのは難しいだろうな、と思った。
経営危機の旅行会社がパリ10間のツアーを二種類発売する。一つは一人150万の「光ツアー」、もう一つは20万の「影ツアー」。売りは世界中の旅行者のあこがれ、一見さんお断りの超高級ホテル「王妃の館ーシャトー・ド・ラ・レーヌ」に宿泊すると言うもの。実はホテルも共犯で部屋の二重売りをしようとしていたのだ。このツアーに参加するのが、一癖も二癖もある人達。この二種類のツアーが繰り広げるドタバタ劇がこの本の主なストーリーである。このホテルのコンシェルジュが、ホテルにまつわるルイ14世の話をするが、これが展開して行くのがこの本のもう一つのストーリーである。
原作は文庫本で上下二冊の長編、これを95分の芝居にするためカット・改変をほどこしてはいるが、原作の精神はちゃんと生きている。それでいながら、宝塚歌劇に仕上げているのはなかなかのもの。
原作は群集劇だが、この舞台では作家北白川右京と「光」ツアーのコンダクター桜井玲子を主役にした。北白川右京の代表作が「細雪国」で「ベルサイユの百合」を完成させる為にツアーに参加した、と言うのは原作通り。でも、原作にある通り、彼がもの凄いワキガ持ちだとか、痔持ちで、脱稿と同時に脱肛するなんて事は舞台に、と言うより宝塚歌劇には出来ない。しかし、結構笑わせてくれる。この役をトップの朝夏まなとが楽しみながら演じているが良かった。
今回ルイ14世の話がかなり改変されていて、現代の話とい絡みあっている。それはそれで面白いし、芝居としても成功している。ルイ14世の亡霊が現れ、ベルサイユ宮殿の案内役を買って出る、なんてシーンはホント面白かった。
「光」ツアーの成金男金沢貫一が関西弁なのがちょっといただけない。ただ、この役を演じている愛月ひかるは好演だが。又、女装のオカマの黒岩源太郎役の蒼羽りくは女にしか見えない。まぁ、当たり前と言えば当たり前だけど。
上手いと思ったのは、岩波夫妻役の一樹千尋と花音舞、下田夫妻役の寿つかさと美風舞良である。この二組の夫婦がしっかりしているから芝居が面白いし、原作でも感動させられるのはこの4人のエピソードである。それが、今回の舞台でもしっかり生きているのが嬉しい。
最後はとってつけたような感じがするが、コメディーだもの、それをご都合主義と言うのは無粋と言うもの。これも、宝塚歌劇のいうなら「お約束」だ。 田淵大輔はなかなかいいデビューを飾った。この人の作品をまたみてみたい。
レビューは「VIVA! FESTA!」。作演出は中村暁。オーソドックスなショーと言う感じであった。プロローグで2階に客席降りがあったのが嬉しい。年1回あるかないかではあるが、2階にきてくれるのはとても嬉しい。と言うのも、客席降りでは大いに盛り上がるのだが、それは1階席の事。二階席はおいていかれるのだから。その名の通り世界の祭りがテーマで、それゆえ面白い。特に面白かったのは、よさこいソーラン。
今回、芝居のショーも結構面白く満足できた。尚、王妃の館シャトー・ド・ラレーヌは、ホテル・パヴィヨンドラレーヌとして実在している。
追記:女装のオカマのクレヨンには花組の柚香光が似合うと思った。この人、去年の「ミーアンドマイガール」で女性を演じているが、僕には女装のオカマにしかみえなかった。
追記2:「ベルサイユの百合」とはよく考えたな、と思った。なんせブルボン王家の紋章が百合なのだから。
これが気に入ったら下記を
「ぽちっとな」とクリックしてください
観劇 ブログランキングへ